さんざん戦意をあおって多くの人を死にいたらしめした古関裕而が、戦後、平和を祈る歌『長崎の鐘』の作曲もしている。しかも作詞はサトウハチローで、軍歌をつくってきたコンビで、今度は平和を願う歌をつくっている。
(略)
例えば、『六甲おろし』をつくったものも古関裕而なのですが、かれはなんと、読売ジャイアンツの応援歌『闘魂こめて』もつくっている。さらに、中日ドラゴンズの応援歌『ドラゴンズの歌』もつくっている。
(略)
歌をつくることを生業にしていながら、歌の持つ影響力の深さを考えることのできない人だったと思わずにいられないわけです。
--- 「佐高信の昭和史」から
2016年7月9日土曜日
コミュニケーション力が高いことと、言っていることが正しいかは別物
自分たちを認めてくれる、人当たりの良い、魅力的な指導者。
彼が本当に自分たちの国のために良いことをしてくれるかはわかりません。
それを見抜くためには、その人が言っていることが本当なのかをきちんと調べ、彼のビジョンの先に何が待っているかを現実的に想像しなくてはならないのです。 (森山たつを)
『三宅洋平のコミュニケーション力はスゴイと素直に思った』 森山たつを / もりぞおのBLOGOS
彼が本当に自分たちの国のために良いことをしてくれるかはわかりません。
それを見抜くためには、その人が言っていることが本当なのかをきちんと調べ、彼のビジョンの先に何が待っているかを現実的に想像しなくてはならないのです。 (森山たつを)
『三宅洋平のコミュニケーション力はスゴイと素直に思った』 森山たつを / もりぞおのBLOGOS
2016年7月5日火曜日
明日、戦争が始まる
「明日、戦争が始まる」 宮尾節子
明日戦争がはじまる
まいにち
満員電車に乗って
人を人とも
思わなくなった
インターネットの
掲示板のカキコミで
心を心とも
思わなくなった
虐待死や
自殺のひんぱつに
命を命と
思わなくなった
じゅんび
は
ばっちりだ
戦争を戦争と
思わなくなるために
いよいよ
明日戦争がはじまる
【IWJブログ・特別寄稿】「明日戦争がはじまる」の作者です。こんにちは。(第3回) 詩人・宮尾節子 | IWJ Independent Web Journal
明日戦争がはじまる
まいにち
満員電車に乗って
人を人とも
思わなくなった
インターネットの
掲示板のカキコミで
心を心とも
思わなくなった
虐待死や
自殺のひんぱつに
命を命と
思わなくなった
じゅんび
は
ばっちりだ
戦争を戦争と
思わなくなるために
いよいよ
明日戦争がはじまる
【IWJブログ・特別寄稿】「明日戦争がはじまる」の作者です。こんにちは。(第3回) 詩人・宮尾節子 | IWJ Independent Web Journal
2016年7月2日土曜日
一銭五厘の旗
ぼくらは 権利ばかり主張して
なすべき義務を果たさない
戦後の悪い習慣だ とおっしゃる
(まったくだ)
しかし 戦前も はるか明治のはじめから 戦後のいまでも
必要以上に 横車を押してでも 権利を主張しつづけ その反面 なすべき義務を怠りっぱなしで来たのは
大企業と 歴代の政府ではないのか
(見よぼくら一銭五厘の旗)
徳川時代や明治時代や、とにかく戦前までの女性は、みじめだったというのが、常識になっている。
しかし、いまの若いひとが考えているような、ラクかどうか、という物尺ではかれば、あのころの女性は、けっこうラクだったような気がする。
責任がなかったからである。
自分で何も考えることはいらなかった。むしろ、考えてはいけなかった。
(世界はあなたのためにはない)
そんなことを言っては損だと知っていても、いわなければならないことは、ハッキリと大きい声でいう。そんなことをしてはまずいとわかっていても、しなければならないことは、きっぱりとやる。
それが青年というものだ。すくなくとも、青年と老人がちがうところは、そこなのだ。
(どぶねずみ色の若者たち)
なすべき義務を果たさない
戦後の悪い習慣だ とおっしゃる
(まったくだ)
しかし 戦前も はるか明治のはじめから 戦後のいまでも
必要以上に 横車を押してでも 権利を主張しつづけ その反面 なすべき義務を怠りっぱなしで来たのは
大企業と 歴代の政府ではないのか
(見よぼくら一銭五厘の旗)
徳川時代や明治時代や、とにかく戦前までの女性は、みじめだったというのが、常識になっている。
しかし、いまの若いひとが考えているような、ラクかどうか、という物尺ではかれば、あのころの女性は、けっこうラクだったような気がする。
責任がなかったからである。
自分で何も考えることはいらなかった。むしろ、考えてはいけなかった。
(世界はあなたのためにはない)
それが青年というものだ。すくなくとも、青年と老人がちがうところは、そこなのだ。
(どぶねずみ色の若者たち)
--- 花森安治 『一銭五厘の旗』 から
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