2019年7月16日火曜日

普通に働いて、普通に生きること


ワーキングプアの人は生活保護を責めるのではなく、自分の労働環境がおかしいと訴えるべきだろう。自分がワーキングプアであることと、生活保護受給者が自分よりいい暮らしをしていることは無関係なのだから。生活保護が羨ましいのなら、役所に行って受給したいと言えばいい。生活保護をバッシングする人は、窓口に足を運び、生活保護受給者の顔を見て欲しい。生活保護を受けるということがどれだけ大変で辛いことかわかるはずだ。

人はただ漠然と生きることを苦痛と感じる。仕事があることで人は孤立しないで済む。職場に行けばいつもの仕事仲間がいて、挨拶する。ただそれだけだけど、今日も元気で生きているということを皆に伝えることができる。

人は必ず年老いて、いつか弱者になる。働くことのできない人々が生活保護や福祉サービスを受けることを責めるような世の中は、想像力の乏しい社会なのだ。

生活保護の辛さとは、プライバシーのないことであり、人とのつながりが断たれてしまうことである。

社会は相互扶助でできているのであって、何かあったときのためにみんな税金を納めているんです。

普通に働いて、普通に生きたかった。その「普通」が、いかに手に入れるのが困難なものか知った。宝石も高価な服も要らない。ただ、その日その日をつつましく生きたいと願っていた。そのつつましく生きるという願いは、この世で最も高価な願いだった。

  --- 小林エリコ 「この地獄を生きるのだ」 から

2019年6月13日木曜日

安い労働力で成り立つ


現在の戦争というのは、民間業者を使わないとたぶんできないと思うんですよ。要するに格差を利用して、安い労働力を使う。全部兵士にしてしまうとコストがかかってしょうがない。それは日本の自衛隊でもやっていることで、今後広がることはあっても縮むことはないと思うんですよ。まず格差が前提であって、貧しい人がいることが条件。そういうところに日本人が行ってもおかしくない(安田純平)
   --- 雨宮処凛 『排除の空気に唾を吐け』 から

2019年4月11日木曜日

企業の目的

企業の目的は利益ではない。利益は企業が存続するための条件にすぎない。利益が出ないような事業は確かに継続できない。しかし利益は何をすべきかを教えてくれない。何をするのかを決めたときにはじめて、その事業が利益を生むかどうかが問題となりうる。何をするかを決めない限り、利益の有無を問うことすらできない(Drucker 1993,ch6)

ある仕事が創発的価値を生成するなら、その仕事は有効である。(安冨歩)

企業の目的は顧客の創出である。利益は企業の具体的目標を教えてはくれない。それは企業が自分で考えねばならないことである。自分たちのなすべきことは何なのかをはっきりと認識し、いかにして創発を阻害する要因を取り除くかを考えることが、最良のブランド・マネージメントであり、21世紀を生き延びる方法なのである。(安冨歩)

2019年4月4日木曜日

マネージメント


「不好犯上、而好作亂者、未之有也」(論語)

【解釈】好く上を犯さないというに、好く亂を作す者は、いまだいたことがない。(安冨歩)

論語入門 学而

2019年3月27日水曜日

組織の国

ついに組織というものとなじまない。それこそ同人雑誌もつくらないし、結社もつくらない、クラスメートとも親しくはならない。
 要するに一人でいる限り、何とでもなるんですが、誰かと何かをやろうとすると、およそだめであるという点において、僕は非常に非日本的な性格なんです。組織の国ですからね、ここは。(池澤夏樹)

2018年12月10日月曜日

見たくないものを見たくないだけで、ホントに見るべきものはたくさんある

『たとえば日本は平和だから、そんなに社会的なこと言わなくてもいいって言う方がたまにいる。
僕は平和じゃないと思う。平和なとこしか見ない人ばっかりの話で、平和じゃないこともたくさんある。ニュースになってないだけで。
(略)
みんな見たくないものを見たくないだけで、ホントに見るべきものはたくさんあると思うんですよね。』(村本大輔)

2018年11月13日火曜日

福島原発放射能汚染シミュレーション

ドイツ気象庁の福島原発放射能汚染シミュレーション 2011年3月27日(日曜日) の投稿に対して、Y様より、リンク切れのご指摘を頂きました。

又 既にリンク切れの『緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の試算』のページの内容をPDFにして修復ページを公開されています。
この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。

修復ページはこちらです。


ちなみに、『ドイツ気象庁(DWD)による粒子分布シミュレーションの日本語訳』は2011年7月29日をもって、ドイツ気象庁(DWD)の拡散予測は終了しています。 この拡散予測と本サイトでの翻訳発信を含む、事故をめぐる詳細な記録が、書籍『福島原発事故独立検証委員会による調査・検証報告書』にも記載されている模様です。


◆参考◆ 
ドイツ気象局(正式名称:Deutsche Wetterdienst、通称:DWD)

電力・ガス料金比較 セレクトラ



2018年10月29日月曜日

敗戦によって自分たちは

敗戦によって自分たちの生活はずいぶん変わったけれども、ものの考えかたの方式は、すこしも変わっていなかったのだ、ということである。つまり、戦争中は、戦争に協力せよと言われたからそれに従い、同じように、戦争が終わってからは、こんどはデモクラシーを学べと言われてそれに従っていたにすぎなかったのだ。



戦争が終わって、学徒動員で働いていた工場から、はじめて学校へ帰ったとき、まず先生に言われたことを忘れない。
「これからの日本は自由主義になるのですが、自由と放縦(ほうじゅう)とは違うのですから、けっしてはき違えることのないように」
 その時点での先生の老婆心はわからないではないし、げんに今でも、この論法で若者をいましめる人が多い。しかし、世界じゅうの人びとが、あたまの血を流してまで求めつづけた「自由」の重みを「放縦」という卑小なイメージとセットになったものとしてしかうけとめえない人の多かったことは、その後の日本の不幸にも、大きくかかわっているのではあるまいか。

  --- 杉みき子 『がんぎの町から』 から

2018年9月17日月曜日

呪縛 そして 集団的呪縛

「呪縛」とは「不条理」な「虚像」や「心情」にしがみつくことであり、自らが意識せずに取り込んでしまい、離脱しようとすると、強い罪悪感が喚起(かんき)されるある種の「規範」や「信条」を示す。「集団的呪縛」とはそれが「集団」によって共有され、再生産され、集団の構成員に強要され、なおかつ外的状況が変化し、集団の構成員や集団の存続に明らかに不利な働きをすることがわかっていても依然として、その集団によって「継承」「共有」されることをいう。そこから離脱しようとするものは「共同体の制裁」と「非難」に遭い、強い罪悪感を抱かされ、苦悩する。


原発に反対する人はしばしば、「福島原発事故は共同体を破壊し、家族を破壊した」と指摘する。しかし実のところ、原発事故が破壊したのは「政府や科学技術への信頼」という「人知」にもとづいた「かりそめの共同体」に過ぎない、と言うべきかもしれない。そもそも反対意見の封じ込め、排斥し、地域振興とばかりに10基もの原発を地域内に招きいれ、いつ起こるとも知れない事故と隣りあわせで、いかに「平和」な「地域社会」や「家族」を作り出しても、それは「砂上の楼閣」のごとき「見せ掛け」であることを我々は認めなくてはならない。現代日本社会はまさに、この「砂上の楼閣」を「繁栄」であると読み替えてきたのである。

  ---  深尾葉子 『魂の脱植民地化とは何か』から

蓋の上の人格

これまで「逃げること」ばかり考えていた過去の自分に別れを告げ、はじめて「守りたいもの」のために戦うことに喜びを見出すハウルは、一見「変身」したかに見える。しかし呪いの秘密が解けないまま、戦いによって平和を得ようとするその姿は、実は何一つ変わっていない。これまでと同じ扉に、入り口の色を新しく変えて、出てゆく空間を取り替えることで「蓋の上の人格」の一部を入れ替えただけである。(ハウルの動く城)
  ---   深尾葉子 『魂の脱植民地化とは何か』から