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2023年10月10日火曜日

狂気の法律

2023年6月7日水曜日

許してはいけないのは加害

2023年5月17日水曜日

AIが仕事を無くすのか

2021年6月24日木曜日

止まらない雪玉

 少なくとも、満州事変を起こした時には、石原には一応のビジョンがあった。たとえそれが誇大妄想のトチ狂った考えであったとしても、何をしたいのか、というヴィジョンがありました。ところが彼が最初の雪玉を転がしてしまった後、その雪玉は勝手に転がり続けてしまいました。日中戦争が始まった時、石原は陸軍の参謀本部作戦部長だったのですが、ただ一人戦争の拡大を阻止しようとして走り回って、最終的に負けました。その後、関東軍参謀副長へ左遷され、そこで参謀長の東条英機に嫌われてやがて退役させられます。そして、太平洋戦争が始まった時には、立命館大学で国防学の講師をしていました。最初に雪玉を転がした人間が、それが雪崩になった時には、その雪崩に自ら吹き飛ばされてしまったという感じです。この感じが、私はすごく怖いと思いました。

--- 安冨歩 「生きるための日本史」

2021年6月23日水曜日

雨乞い

高度成長期には、東京タワーが建てられ、新幹線が開通し、東京オリンピックをやって、大阪万博をやりました。しかしそれらは高度成長の原因ではなく、そのなかで生じた、むしろ結果なのです。ところが今の日本は、スカイツリーを建てて、リニアモーターカーを走らせ、東京オリンピックをやって、大阪万博をやろうとしています。そうすればまた、高度成長が始まる、と思っているのです。こんな原因と結果とを取り違えたことをやっても、それは雨乞いに過ぎません。その雨乞いのために、私たちは何十兆円も投入しています。

ーーー  安冨歩 『生きるための日本史』


2021年4月2日金曜日

子供たちの教育をになう

 原子力発電所は、電気を起こすために運営されているのではありません。その本当の目的は、核武装です。正確に言うと、日本を、いつでも核武装できる状態にしておくために、行われています。その技術の発展を担ったのは科学技術庁という役所でした。その業務の大半は、核燃料再処理、高速増殖炉、ロケット開発でした。これらを組みあわせると、核ミサイルを作ることができます。ですから本当の名前は「核ミサイル開発庁」でした。この役所はその後、文部省と統合されて、文部科学省になっています。ですから、文部省の本当の名前は、「文部核ミサイル開発省」です。日本ではこんな役所が、子供たちの教育をになっているのです。

   ---  安冨歩 木村恵 『魔法のヤカン』

2020年8月15日土曜日

回避不可能

起きうる問題がN個あれば、それぞれの問題が「起きる/起きない」の二つの場合しかないとしても、その組み合わせは二のN乗である。Nが少しでも大きくなると、その値は爆発する。起きうる問題が50個あればその組み合わせは、2の50乗、すなわち

1,125,899,906,842,620 通り

である。これはどういう数かというと、不眠不休で1秒間に一つ数えるとして、数え上げるだけで3570万年以上かかる。それらのすべてに事前に練り上げた計画を立てるためには、地球誕生の瞬間から現在までやってもまだ間に合わない。このような計算量の問題は回避不可能である。その上、事態1の起きる確率と事態2の起きる確率が独立であるという保証はどこにもない。事態1が起きたら事態2の起きる確率が上がるというケースが往々にしてある。落ちるはずのないロケットが落ち、起きるはずのない原発事故が起きる理由はここにある。もともと不安定で制御困難な社会へのはたらきかけに同じアプローチを適用するのは無謀である。

--- 安冨歩 「複雑さを生きる やわらかな制御」

少数の理性を持つ者が社会を制御しうるという理論は原理的に間違っている。このような意味の理性などというものはそもそもありえない。理性を活用してものごとを深く観察し、理解しようとしても、無限の多様性を持つものを有限の記述によって処理することはできない。たとえうまい記述に到着したとしても、そこに非線形性が介在しておれば、適切な近似を得るために初期値を無限精度で設定する必要が生じる。無限精度で初期値を設定するとは、軌道を無限の先まで知っていることと等価である。つまり、あらかじめすべてのことがわかっていれば予測できる、という無意味なことになる。それ以外にも計算量爆発という問題がある。ある事態が「ある」か「ない」かであるという単純な場合を想定してさえ、N個の要素が関与しておれば、可能な組合せは2のN乗になる、というあの回避不可能な罠である。

--- 安冨歩 「複雑さを生きる やわらかな制御」

2019年4月11日木曜日

企業の目的

企業の目的は利益ではない。利益は企業が存続するための条件にすぎない。利益が出ないような事業は確かに継続できない。しかし利益は何をすべきかを教えてくれない。何をするのかを決めたときにはじめて、その事業が利益を生むかどうかが問題となりうる。何をするかを決めない限り、利益の有無を問うことすらできない(Drucker 1993,ch6)

ある仕事が創発的価値を生成するなら、その仕事は有効である。(安冨歩)

企業の目的は顧客の創出である。利益は企業の具体的目標を教えてはくれない。それは企業が自分で考えねばならないことである。自分たちのなすべきことは何なのかをはっきりと認識し、いかにして創発を阻害する要因を取り除くかを考えることが、最良のブランド・マネージメントであり、21世紀を生き延びる方法なのである。(安冨歩)

2019年4月4日木曜日

マネージメント


「不好犯上、而好作亂者、未之有也」(論語)

【解釈】好く上を犯さないというに、好く亂を作す者は、いまだいたことがない。(安冨歩)

論語入門 学而

2018年7月15日日曜日

疲れを知らないコンピュータ

「立場主義」は実のところ、すでに機能しなくなっています。なぜならば膨大な数の機械を人間が操作する必要がもうないからです。今ではその仕事を、疲れを知らないコンピュータがやるからです。立場を守るために果たすべき役が、もうないのです。にもかかわらず私たちの社会は、今でも「立場主義」で働いています。

---  安冨歩 『あなたが生きづらいのは自己嫌悪のせいである』 から

2018年3月3日土曜日

本当の友だち

「今我慢すれば良い明日があるよ」っていうストーリーは、資本主義とか学校がおしつけている妄想なのよ。今こうやって勉強すればいい会社に入れますよっていう。それは嘘っぱちだから。そうやってシステムに搾取されてゆくわけだよね。 (安冨歩)

本当の自立というのは「何かができるようになること」じゃない。自身の目の届く範囲に、「つながり」を生み出していくっていうこと。社会を作り出していく。それがほんとうの意味での自立だと思う。 (安冨歩)

コミュニティなんてものは、実体化された幻想に過ぎないのよ。そんなものは本当は存在してない。あるのは、あなたを中心にした個々の人間の関係性だけなんだから。 (安冨歩)


---  「本当の友だち」を作れ!幻想のコミュニティから自由になるために(現代ビジネス編集部)

2018年1月10日水曜日

勇気をもってサボる

「変だな」と感じたら、「そんなはずはない」と歯を食いしばってはいけないのです。その状態が続くなら、
「変だな」→「苦しいな」→「しんどいな」→寝こむ→病気になる→倒れる
というのが、むしろ正しい態度なのです。もちろん、寝込んだり病気になるよりは、
「勇気をもってサボる」
 このほうがずっと立派です。皆がそうやってサボったり倒れたりすると、システムは動かなくなります。そして暴走は止まるのです。

   --- 安冨 歩 『満州暴走 隠された構造』から

植民地化された魂

首都の上空は今もアメリカ軍が管制しています。アメリカ軍関係者やCIA関係者は横田基地や横須賀基地にやってくると、ヘリで六本木ヘリポートまで飛び、そのままアメリカ大使館やニューサンノー米軍センター(米軍専用のホテル兼会議場)に移動できます。つまりパスポートがなくても自由に日本の中を動き回れるのです。そして日本人は、これに見て見ぬふりを続けています。
 因果応報、これこそが「植民地根性」です。
 植民地に関わった者は、本国側であれ植民地側であれこういう状態を「あたりまえ」「普通」「正常」だと思うようになります。ガンディーが自分を含めたインド民衆に感じた心性、「植民地化された魂」です。

   --- 安冨 歩 『満州暴走 隠された構造』から

日本立場主義人民共和国

私たちの国の正しい名はおそらく、
「日本立場主義人民共和国」
です。
 その主たる政権党である自由民主党は、だれでも知っているように、自由と民主とを軽視する政党であって、名前が間違っています。この政党は立場主義イデオロギーを守るために活動しているのであり、共産主義を標榜する政党が「共産党」と名乗るに傚(なら)って、立場主義を標榜して「立場党」と名乗るべきだと思います。自民党は、「皆さまの立場を守る、立場党」であって、日本国民の大半が立場主義者であるがゆえに、幅広く支持されているのです。

立場主義三原則

前文、「役」を果たせば「立場」が守られる。
第一条、「役」を果たすためには何でもしなければならない。
第二条、「立場」を守るためになら、何をしてもよい。
第三条、他人の「立場」を脅(おびや)かしてはならない。

  --- 安冨 歩 『満州暴走 隠された構造』から


2017年12月10日日曜日

自立

自立とは、多くの人に依存することである

自立した人というのは、自分で何でもする人ではなく、自分が困ったらいつでも誰かに助けてもらえる人であり、そういった関係性のマネージメントに長けている人のことだ。

自立は金で買えない

ーーー  安冨 歩 「生きる技法」から

2017年11月25日土曜日

マネジメントにとって最も大切な資質

経営者の誠実さと真剣さとを最終的に証明するものは、人格の誠実さに対する妥協のない重視である。これは、何よりも、経営者の「人事」決定に象徴化されねばならない。なぜなら、リーダシップが実践されるのは人格を通してであり、模範が設定され示されるのが人格だからである。人格は、人が獲得しうるものではない、もし人が仕事に就いた時にそれをもっていなければ、後から手にすることはない。それは人が他人を騙すことができるものではない。その人と共に働く人、特に部下は二、三週間もあれば、その人が誠実さをそなえているかどうかわかる。無能、無知、自信のなさ、無作法といったことであれば、彼らはその人をかなりの程度、大目に見るはずである。しかし、誠実さの欠如を大目に見ることはない。そんな人物を抜擢した上位の経営者を許すこともない。(ピーター・ファーディナンド・ドラッカー)
  -----  「安冨歩 ドラッカーと論語」から

2017年7月28日金曜日

義務と立場

私は、この戦争を経て、日本社会は、人間ではなく「立場」で構成されるようになった、と考えています。そうなると人間は、それ自身として尊重されることはなく、「立場」に立って、「義務」を果たすことによってのみ、尊重されるようになります。

立場に終始振り回されることは生身の体の人間には、とてもつらいことです。そこでそのつらさを、なんとか誤魔化すために人々は果てしなく「刺激」を求めました。人々の間に生じるストレスを誤魔化すための最良の刺激は、果てしない消費の拡大でした。こうして激しい労働と消費を共存させる、見事なまでの悪循環システムができ上りました。

   --- 安冨歩 『原発危機と東大話法』 から