2023年7月31日月曜日

消費者の気持ち

消費者は「なんか、好き」「しっくりくる」といった、論理的でも何でもない気持ちや感情で商品を選ぶ。

消費者分析の限界は、調査上にもある。定量調査では、言葉で表現したものしか数値化できない。だから、言葉で表せないもの、消費者が無意識に思っているようなことは無視されてしまう。いくら多くの消費者が抱いている気持であっても、見つけることはできない。

人は、目途のないまま待つことは苦手だ。反対に、目途さえついていれば、仮に多少待たされたとしても我慢できる。

---   #桶谷功 『インサイト』 2005-2-17

2023年7月25日火曜日

無変革 無関心

 なにしろ私たちの多くが変革を嫌い、現状肯定の平穏を選んできた結果が、いまや多くの分野で首位の座を明け渡した技術開発力であり、前政権以上に臆面もない独善が目立つ菅政権の強権政治である。(2021-1-3)

かの無謀な戦争しかり。地震国で原発を動かす無定見しかり。1000兆円もの国債発行残高しかり。最後に泣きを見ても、政治から民間までことごとく根拠のない安全神話や楽観にすがるのは、日本人の国民性などではない。個々の責任を問わない社会の甘さが、非効率のはびこる独善を生み、独善が無責任な楽観を生むのである。(2021-4-4)

--- #高村薫 『作家は時代の神経である』 から



2023年7月21日金曜日

新聞記者論


『新聞記者の職責や大なり。而(しこう)して新聞記者の任務やまた一にして足らず、精確なる事実の報道の如き、即ち其責務の最たるものなり。事実を報道する、用意なるが如くにして実は決して然(さ)らず。機敏なる観察と冷静なる判断力を以てするにあらざれば、事実は事実として決して記者の眼中に映(えい)ずるものにあらざるなり。・・・況(いわん)や他の記者を出抜(だしぬ)き、最も迅速に而して最も精確に事実を報道するの困難なるをや。是(これ)を以て、新聞記者の道徳は世の常の教条を以て律すべからず。彼は、此職務を遂行するに於(おい)て、勢い有らゆる道徳上の教条を無視せざるべからざる地位にあり。之が為には、詐欺をも敢(あえ)てし、虚喝をも敢てし、時としては又窃盗をも敢てすることあり。』

 ーーー #桐生悠々  明治44年(1911)12月2日 信濃毎日新聞 社説「新聞記者道徳」


『「独立の地位」は新聞記者にとって、何が故に夫ほど重宝なものであろう。雪隠(せっちん)の中にいるものは、糞尿の悪臭を感ぜぬが、雪隠の外にいるものは、鼻つんぼにあらざる以上、其悪臭を感ぜずにはおられぬ。之が即ち新聞記者 - 事実の真相を得て之を評する新聞記者 - に「独立の地位」なるものが、最も必要なる唯一の理由である、原因である、基礎である。当局者、従属者の語る所は、総じて偽(いつわり)である。利害関係の渦中(かちゅう)に投じているものは、大抵は其利害のために囚(とら)われて、事の真相を捉え得ぬ。偶(たまたま)其真相を得るものがあっても、之を明(あから)さまに発表する程の愚者はおるまい。』

ーーー #桐生悠々  明治45年(1912)5月 信濃毎日新聞 社説「独立者の語る真理」

2023年7月5日水曜日

人工知能

 デイヴィッドは、ジョシュアと三目並べをやることに。この何度やっても引き分けに終るゲームをしているうちにジョシュアは勝敗のつかないゲームにむなしさを学習する。世界全面核戦争も局地戦争も勝者はない。戦争ゲームは終了した。「変ですね。勝つための唯一の動きはプレイしないことなんて」とジョシュア。そして、フォーケンに「チェスをやりませんか」とジョシュアは提案する。

ーーー 映画 #ウォー・ゲーム  劇場公開日:1983年12月10日