2016年5月28日土曜日

主語無し

自己規制なんて上品なもんじゃねぇよ、もう。自己規制なら、自己との闘いがあるでしょう。そんなもんじゃない。ズルズル、ズルズルな。新聞そのものに主語がない。そこで働いてメシ食っている連中、主語があるわけないじゃないか。(むのたけじ)

2016年5月4日水曜日

原発を止める人々

日本の人々自身に自覚がないのに驚くが、3・11以後の変化は著しいものがある。公式的には脱原発を宣言したドイツやスウェーデンなどは、実際に多くの原発を動かしている。しかし日本は、3・11以後にもっとも劇的に原発稼働を減らし、一時はゼロにした。世界の運動がどこもなしとげなたことがない、非暴力直接行動によって官庁街を長期にわたり占拠するということも実現し、与党のエネルギー政策を変えさせた。
それでもその自覚がないのは、現代日本の人々に社会運動の経験が少なく、そのぶんだけ期待が大きすぎるからであろう。首相が何の下準備もなく「明日から原発は全部廃炉にします」と宣言するとか、にわか作りの「脱原発政党」が一気に多数派になるといった、漫画のようなことは現実には簡単におこらない。かといって、実現したことが小さかったわけではないのである。

   --- 小熊英二 『原発を止める人々』から