2017年11月25日土曜日

マネジメントにとって最も大切な資質

経営者の誠実さと真剣さとを最終的に証明するものは、人格の誠実さに対する妥協のない重視である。これは、何よりも、経営者の「人事」決定に象徴化されねばならない。なぜなら、リーダシップが実践されるのは人格を通してであり、模範が設定され示されるのが人格だからである。人格は、人が獲得しうるものではない、もし人が仕事に就いた時にそれをもっていなければ、後から手にすることはない。それは人が他人を騙すことができるものではない。その人と共に働く人、特に部下は二、三週間もあれば、その人が誠実さをそなえているかどうかわかる。無能、無知、自信のなさ、無作法といったことであれば、彼らはその人をかなりの程度、大目に見るはずである。しかし、誠実さの欠如を大目に見ることはない。そんな人物を抜擢した上位の経営者を許すこともない。(ピーター・ファーディナンド・ドラッカー)
  -----  「安冨歩 ドラッカーと論語」から