2019年7月16日火曜日

普通に働いて、普通に生きること


ワーキングプアの人は生活保護を責めるのではなく、自分の労働環境がおかしいと訴えるべきだろう。自分がワーキングプアであることと、生活保護受給者が自分よりいい暮らしをしていることは無関係なのだから。生活保護が羨ましいのなら、役所に行って受給したいと言えばいい。生活保護をバッシングする人は、窓口に足を運び、生活保護受給者の顔を見て欲しい。生活保護を受けるということがどれだけ大変で辛いことかわかるはずだ。

人はただ漠然と生きることを苦痛と感じる。仕事があることで人は孤立しないで済む。職場に行けばいつもの仕事仲間がいて、挨拶する。ただそれだけだけど、今日も元気で生きているということを皆に伝えることができる。

人は必ず年老いて、いつか弱者になる。働くことのできない人々が生活保護や福祉サービスを受けることを責めるような世の中は、想像力の乏しい社会なのだ。

生活保護の辛さとは、プライバシーのないことであり、人とのつながりが断たれてしまうことである。

社会は相互扶助でできているのであって、何かあったときのためにみんな税金を納めているんです。

普通に働いて、普通に生きたかった。その「普通」が、いかに手に入れるのが困難なものか知った。宝石も高価な服も要らない。ただ、その日その日をつつましく生きたいと願っていた。そのつつましく生きるという願いは、この世で最も高価な願いだった。

  --- 小林エリコ 「この地獄を生きるのだ」 から