2023年1月27日金曜日

学校教育

校則を「意味がない」と思っても、「意味がなくても決まったことだからやりなさい」と教え込まれる。意味がないシステムでも、頭の良い子たちは、それがどういうメカニズムで作動しているかはわかる。だから、そのシステムに適応して、そこで高いスコアを取ることができる。そういう生き方を子どもの頃から強いられている。「無意味耐性」の強い子どもほど学校教育で高い評価を得ることができる。「意味のないこと」に拒否反応を示してしまう子どもは学校からはじき出される。無意味耐性の高い子どもたちが優等生になり、無意味なルールや無意味な「ものさし」に耐えきれない子たちは不登校になったり、発達障害と呼ばれたりする。( #内田樹 )

#おしどりマコ 「なぜ、そんなに若いのにきちんと話せるんですか」
ドイツのある高校生「それでは日本では、いつからそういうこと(政治)を生徒は考えるんですか」
マコ「日本は、18歳から選挙権が与えられることになったので、18歳以上になってからかな」
高校生「え、それでは遅すぎますよね。選挙権を持ってから考えていたら遅いですよ。選挙権をもつ前から考えなくてどうするんですか」

 ---   #望月衣塑子 と 特別取材班 『安倍晋三 大研究』 #20190503

民主主義

公人としてふるまう以上は、自分の立場に反対する人を含めて、集団を代表しなければならない。どれほど多数派であっても、自分に賛同する人間の利害だけを代表する人間は「権力を持った私人」であって、「公人」ではありません。反対者を含めて全体を代表する、敵対者と折り合って統治するというのが民主制の統治原理です。( #内田樹 )

「私は中立です」「この件に関して私は賛成でも反対でもない」というような、口先だけの中立であるためには、知識も技術も要らない。それは単なる思考停止です。(内田)

合意形成とは、かかわっているプレイヤーたち全員の不満足の程度をだいたい同じくらいに均すことなんです。これを達成するためには、プレイヤーたちの一人ひとりにおける「ここだけは絶対に譲れないところ」と「この辺は譲ってもいいところ」の境目をよく見切って「灰色決着」における「灰色の明度」を揃えなければいけない。民主主義は技術がなければ運用できない複雑な仕組みなんです。それを単純に原理主義的に運用しようとするから、民主主義が機能しなくなる。(内田)

法律の制定者と法律の執行者が同一機関であるような政体のことを「独裁制」と定義するわけですれれども、その定義を適用すれば、日本は民主主義的なプロセスを踏みながら、独裁制に移行しつつある。すでに司法は行政府に従属していますよね。(内田)

---   #望月衣塑子 と 特別取材班 『安倍晋三 大研究』 #20190503

宗教団体

宗教が人間存在の意味を問い続け社会的弱者に寄り添うのであれば、反体制になるのは当然である。しかし、実際に「宗教団体」がその存在をかけて反体制であっただろうか。沖縄の現実に向き合い基地に反対した宗教団体はあったか。そもそも戦時体制を支えたのではなかったか。反体制であり得たのはマザー・テレサやガンディーや中村哲など個人の信仰者であり、宗教団体ではなかったのではないか。

---  #田中優子 #これからどうする #週刊金曜日 #1409号

2023年1月22日日曜日

積極的公正・中立主義

 「1992年度における言論機関への攻撃は1625件と過去最高であった。昨年1年間に殺されたジャーナリストは49人、いまなお獄中にあるものが90人である」(「国際ジャーナリスト連盟年次報告 1992年)

いかなる時代のいかなる政治権力者(たち)も自分の意のままに動かせる放送、官営放送をほしがっているということがいえる。ジャーナリズムとその関係者、および研究者は、市民の利益と権力者の利益とは現在のところメディアをはさんで相反する関係にあることを認識し、いかにしたら権力の側からの圧力をはねかえし、放送を「公共の福祉の向上」のため公衆に奉仕させるようにできるかを、国家によるメディアコントロールの排撃という立場から真剣に考えておかねばならないのである。

かつてTBSの局長室には「放送番組をつくることは社会正義をつくることである」という額がかけてあったそうだが、ある職場に人権侵害の事例があれば、たとえそれが自らの顧客・大広告主、番組提供者によるものであってもメディアは敢然(かんぜん)とした勇気をもってのぞまなければならないのである。『積極的公正・中立主義』の基本である。

私のいう市民主権社会では市民が努力してそれなりの社会的地位を得ていくことは、それがだれに対しても出発の地点での平等な機会が民主的に保障され、くりかえし敗者復活戦が用意されているかぎり認める。が、ふつうの市民がいくら努力してもなれない地位や身分、男女差別などを認めるような社会をよしとすることはできない。このことから私の提唱する「積極的公正・中立主義」では、たとえばマスメディアがいわゆる「皇室報道」を売り物にして記事をつくりあげることを評価したりはしない。

---  #渡辺武達 「メディア・トリックの社会学」 #1995/05/20


2023年1月20日金曜日

地域の人々を見守り、安寧を祈る場所

 神社も寺も子どもたちの遊び場であり、初詣や七五三など地域の人々を見守り、安寧(あんねい)を祈る場所だ。その神社で近年、神社本庁や日本会議が「改憲のための署名運動」という政治活動を展開している。
 が、神社の内部で「改憲反対」の声は、あがらないのだろうか。いや、先の戦争で国家神道がはたした戦争協力責任についての検証や謝罪はなされたのか。

 ---  #崔 善愛(#チェ・ソンエ )#風速計 めまい #週刊金曜日 #1408号