2023年1月27日金曜日

民主主義

公人としてふるまう以上は、自分の立場に反対する人を含めて、集団を代表しなければならない。どれほど多数派であっても、自分に賛同する人間の利害だけを代表する人間は「権力を持った私人」であって、「公人」ではありません。反対者を含めて全体を代表する、敵対者と折り合って統治するというのが民主制の統治原理です。( #内田樹 )

「私は中立です」「この件に関して私は賛成でも反対でもない」というような、口先だけの中立であるためには、知識も技術も要らない。それは単なる思考停止です。(内田)

合意形成とは、かかわっているプレイヤーたち全員の不満足の程度をだいたい同じくらいに均すことなんです。これを達成するためには、プレイヤーたちの一人ひとりにおける「ここだけは絶対に譲れないところ」と「この辺は譲ってもいいところ」の境目をよく見切って「灰色決着」における「灰色の明度」を揃えなければいけない。民主主義は技術がなければ運用できない複雑な仕組みなんです。それを単純に原理主義的に運用しようとするから、民主主義が機能しなくなる。(内田)

法律の制定者と法律の執行者が同一機関であるような政体のことを「独裁制」と定義するわけですれれども、その定義を適用すれば、日本は民主主義的なプロセスを踏みながら、独裁制に移行しつつある。すでに司法は行政府に従属していますよね。(内田)

---   #望月衣塑子 と 特別取材班 『安倍晋三 大研究』 #20190503

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