上級生による暴力、制裁などは、しばしば単なる行き過ぎとして見のがされている。時として、これらの誤った行為が、愛部心、愛校心による行為として暗黙のうちに奨励されるのである。後輩、新入会員の無条件的な屈従は、礼儀の名で美風とされがちである。こういう考え方は百八十度転回しなければならない。暴力による制裁などは弁解の余地などないものであり、人間性への侮辱にほかならない。
(1970年の拓忍会事件に関する社説「何が空手リンチ事件を生んだか」朝日新聞 1965年5月27日朝刊)
ーーー #中村哲也 #体罰と日本野球 #2023年12月14日