遠い昔、ここへやってきた人々も、きっと自分とこの場所が融合する一瞬を味わったんだろう。自分の生まれ育ったところと何もかも違う場所で、見よう見まね で行事をくりかえし、あとにしてきた場所を思い、そして椰子の木と海と曇りがちの空に、ふっと溶けこむ。サイミンというあたらしい料理ができあがったみた いに、彼らの生活も、たとえ日本と同じことをくりかえしたとしても、ここにしかないあたらしい何かになる。
--- いつも旅のなか 角田光代 から
角田光代 - Wikipedia
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