2010年6月6日日曜日

相手を見定める

「権利ばかり主張している」という言葉がある。日本の大衆は、自分より惨めな立場にいる者に同情するのは大好きだが、彼らが差別と闘ったり、異議申し立てをすると、とたんに攻撃を始める。

部下に対するのと同じ物言いを、社長や役員に対してする者はいない。不愉快なことがあったのなら、そのままその相手に向かえばいいのに、自分より弱い者や、身近にいて言いやすい者にぶつけてしまうのだ。彼らは決して、自分を抑圧している相手に文句を言うことがない。
怒りは、怒りの素に向かわなければ、その根源はなくならない。

男も泣いていいし、弱くてもいい。男にも、もっと多様な生き方があっていいし、強がらなくてもいい。心から怒りたいときには、身体を震わせて怒ればいい。そういうことが許されない空間がまだ、この社会にはいっぱいある。

   ---   怒りの方法 辛淑玉 から

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