2016年7月2日土曜日

一銭五厘の旗

ぼくらは 権利ばかり主張して
なすべき義務を果たさない
戦後の悪い習慣だ とおっしゃる
(まったくだ)
しかし 戦前も はるか明治のはじめから 戦後のいまでも
必要以上に 横車を押してでも 権利を主張しつづけ その反面 なすべき義務を怠りっぱなしで来たのは
大企業と 歴代の政府ではないのか
(見よぼくら一銭五厘の旗)


徳川時代や明治時代や、とにかく戦前までの女性は、みじめだったというのが、常識になっている。
しかし、いまの若いひとが考えているような、ラクかどうか、という物尺ではかれば、あのころの女性は、けっこうラクだったような気がする。
責任がなかったからである。
自分で何も考えることはいらなかった。むしろ、考えてはいけなかった。
(世界はあなたのためにはない)



そんなことを言っては損だと知っていても、いわなければならないことは、ハッキリと大きい声でいう。そんなことをしてはまずいとわかっていても、しなければならないことは、きっぱりとやる。
 それが青年というものだ。すくなくとも、青年と老人がちがうところは、そこなのだ。
(どぶねずみ色の若者たち)


--- 花森安治 『一銭五厘の旗』 から 

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