さしたる疑問もないまま行われる通常の生徒指導のあり方がある種の子どもたちを孤立させ、あるいは集団化させて、いじめられっ子やいじめ集団をつくり上げていることは、まぎれもない事実です。
教師がいじめの大きな原因となっているというこの厳粛な事実を直視することなしに、今日のいじめ問題を解決することはけっしてできません。とりわけ、学級全体に対する指導が必要なほどのいじめ問題が発生したときは、教師たるもの、まずはおのれが要因として当該いじめの発生にどのようなかかわりを持っているのかを虚心に内省し、反省してみなければなりません。そして、生徒に対する姿勢や態度を根本から変えていかなければならないのです。
「いじめられる方にも原因がある」と考えている教師は少なくない。教師にいじめの相談をした際に、「原因は何だと思う?」「嫌われるようなことをした?」と平気で返すのである。この対応には、「理由もなくいじめを受けるはずがない。だから、お前が悪いんだ」というメッセージが込められている。
(略)
かくして、生徒の不登校も、いじめも、対教師暴力も、非行も、すべては生徒個人の責任にされるのであって、学校や教師が内省する機会が訪れることはないのだ。
---- 南部さおり 『反体罰宣言』
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