2020年1月12日日曜日

老いの生き方

老年は石だ。ぞうり虫だ。いなくてもいいものだ。舞台から下りようとして、とまどって、まごまごしているだけの人間だ。だが、それだけのことで、その他の点では、諸君とおんなじなのだ。なに一つ成長したわけでもないのに、うかうかとつれてこられて、いわゆる年よりがいのない連中が大方なのだ。彼らがうるさいのは、不平のもってゆきどころがないからだ。そして、本心は、若くなりたいのだ。(金子光晴)

われわれは気むずかしさや目の前にある物事に対する険悪を知恵と呼ぶ。けれども、実を言うと、われわれは不徳を捨て去ったのではなくて、別な不徳と、しかも私の考えでは、もっと悪い不徳と取り替えている。愚かな倒れかかった自尊心や、飽き飽きするおしゃべりや、とげとげしい人づきの悪い気分や、迷信や、使いもしないお金に対する滑稽なほどの心配などのほかに、羨望や、不平や、邪悪までがいっそうひどさを増しているのである。老年はわれわれの顔よりも心に多く皺を刻む。だから、年老いても、酸っぱい、かび臭い匂いのしない心というものはめったにないし、あるとしてもごくまれである。人間は成長に向かっても、減退に向かっても全身で進む。(モンテーニュ)

ーーー 鶴見俊輔 『老いの生き方』 から

2019年12月21日土曜日

Discussion is not required. Just do it !

Discussion is not required. Just do it !
 議論は無用、実行あるのみ!(中村 哲)

2019年11月15日金曜日

おまえら、同窓会すんなよ

中学の1年と3年のときに担任やった先生が、卒業するときに『おまえら、同窓会すんなよ』いうて。
『あんなもんはじじいになって、もうこっからはなにもないなあいうときに、初めて振り返ったらいいんや』いうてた。
『それまでは、そんなも振り返ってる場合とちゃうんやからな』って。

   ---   『長谷川義史 それゆけ長谷川義史くん』から


2019年10月29日火曜日

晋三の祖父、安倍實

富の偏在は国家の危機を招く (安倍實)

オレは岸信介の女婿じゃない。安倍寛の息子なんだ。 (安倍晋太郎)

永田町の住人としての晋三は、たしかに成長したのかもしれない。しかし、人間の根っこの部分はそう簡単に変わらない。可もなく不可もなく、極めて凡庸で普通で、しかし仲間内では優しく人のいいおぼっちゃま―と評された根幹部分がそう簡単に変わるはずもない。少なくとも、内から湧き上がるようなエネルギーに突き動かされて政治を目指したわけではなかった、という事実は永遠に変わらない。
―――(青木理 『安倍三代』から)




2019年7月16日火曜日

普通に働いて、普通に生きること


ワーキングプアの人は生活保護を責めるのではなく、自分の労働環境がおかしいと訴えるべきだろう。自分がワーキングプアであることと、生活保護受給者が自分よりいい暮らしをしていることは無関係なのだから。生活保護が羨ましいのなら、役所に行って受給したいと言えばいい。生活保護をバッシングする人は、窓口に足を運び、生活保護受給者の顔を見て欲しい。生活保護を受けるということがどれだけ大変で辛いことかわかるはずだ。

人はただ漠然と生きることを苦痛と感じる。仕事があることで人は孤立しないで済む。職場に行けばいつもの仕事仲間がいて、挨拶する。ただそれだけだけど、今日も元気で生きているということを皆に伝えることができる。

人は必ず年老いて、いつか弱者になる。働くことのできない人々が生活保護や福祉サービスを受けることを責めるような世の中は、想像力の乏しい社会なのだ。

生活保護の辛さとは、プライバシーのないことであり、人とのつながりが断たれてしまうことである。

社会は相互扶助でできているのであって、何かあったときのためにみんな税金を納めているんです。

普通に働いて、普通に生きたかった。その「普通」が、いかに手に入れるのが困難なものか知った。宝石も高価な服も要らない。ただ、その日その日をつつましく生きたいと願っていた。そのつつましく生きるという願いは、この世で最も高価な願いだった。

  --- 小林エリコ 「この地獄を生きるのだ」 から