2008年11月21日金曜日

年収120万円時代

 高額所得者になるほど、収入のなかから消費に回す比率は小さくなります。つまり、実質的な消費税の負担率はお金持ちほど小さくなるのです。

「構造改革」の目的の一つは、「国際競争率の強化」です。競争力を高めるということは、商品の代金に上乗せされる労働者の賃金をいかに低く抑えるかということです。

 たしか小泉前総理の就任2年目の暮れだったと思います。「日本の景気はそんなに悪くないじゃないか」という発言を前総理はしたのです。理由を聞かれた前総理は、「レストランを予約しようとしたらいっぱいだった」と答えたのです。
 私はそのとき、人間というのは自分と自分の仲間の視点からしか世の中がみられないのだなあと、あらためて実感した覚えがあります。  

 額に汗して稼いだお金とあぶく銭、どちらにより高い税金を課すべきか———この命題に対する答えは、財政学者の間では昔から一致しています。

 いま「勝ち組」と言われている人たちに共通していることは、みんなものすごくアタマがいいということ、ものすごく性格が悪いということです。だから頭の悪い人はお金持ちになれないし、性格のいい人もお金持ちになれません。

  ーー 年収120万円時代 森永卓郎 から

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