2016年6月20日月曜日

一億総野垂れ死に -サギノミクス

事業の運営に人手は必要だから、会社は必死に求人を出す。だが、仕事に見合った賃金ではないために働き手は出てこない。求人に応じるのは、夫や父の扶養下にあったり、年金の支えがあったりして低賃金でもなんとかなる主婦、学生、高齢者、といった層ばかり。保育士不足は代表例だ。
 有給求人倍率の1倍超えは、そんな状況で生まれた雇用の危機を示す数字と読める。

---  竹信三恵子 「経済私考」 週刊金曜日 1091号 から

知ろうと思わない人達の国

自分が20歳のころは、世の中の仕組みや、本当のことを知らないで育った。情報も与えられなかったし、政権を選ぶこともできなかった。批判する自由もなかった。いまは本当のことを知ろうと思ったら、知ることができる。それなのに、自分の見たくないものは見たがらない人、学ぼうとともしない人が多すぎる。これから20年もたてば、もっと悪くなるだろう。経済も国債の金利があがったら、大破局がくるかもしれない。(小熊譲二)

---  小熊英二 「生きて帰ってきた男」 から

2016年6月17日金曜日

多くを語らず

淡々としていた。お互いに戦争体験者だから、多くを話さなくても見当がつく。泣いたりわめいたり、激しく感情を動かしたりはしない。何も言わなくてもお互いにわかる。激しく感動したり泣いたりするのは、何も知らない人がやることだ。(小熊譲二)
   --- 小熊英二 『生きて帰ってきた男』から

2016年5月28日土曜日

主語無し

自己規制なんて上品なもんじゃねぇよ、もう。自己規制なら、自己との闘いがあるでしょう。そんなもんじゃない。ズルズル、ズルズルな。新聞そのものに主語がない。そこで働いてメシ食っている連中、主語があるわけないじゃないか。(むのたけじ)

2016年5月4日水曜日

原発を止める人々

日本の人々自身に自覚がないのに驚くが、3・11以後の変化は著しいものがある。公式的には脱原発を宣言したドイツやスウェーデンなどは、実際に多くの原発を動かしている。しかし日本は、3・11以後にもっとも劇的に原発稼働を減らし、一時はゼロにした。世界の運動がどこもなしとげなたことがない、非暴力直接行動によって官庁街を長期にわたり占拠するということも実現し、与党のエネルギー政策を変えさせた。
それでもその自覚がないのは、現代日本の人々に社会運動の経験が少なく、そのぶんだけ期待が大きすぎるからであろう。首相が何の下準備もなく「明日から原発は全部廃炉にします」と宣言するとか、にわか作りの「脱原発政党」が一気に多数派になるといった、漫画のようなことは現実には簡単におこらない。かといって、実現したことが小さかったわけではないのである。

   --- 小熊英二 『原発を止める人々』から