2008年6月21日土曜日

森永 卓郎

大金持ちは働いて稼いだ人ではなく、お金に働かせて稼いだ人なのです。日本で はこれまでそういう人はまれでしたが、欧米では「お金持ちが働かない」という のは常識です。日本もその「グローバルスタンダード」に近づいたといえます。

勝ち組になろうと思って一生懸命働くのだけれど思ったとおりにならず、定年を 迎えたときに残っているのは、ボロボロになった心と体だけ。実は今、日本でい ちばん多いのが、このワナにはまった人たちではないでしょうか。

ーーー 「年金崩壊」 から


実は、新古典派の経済学というのは、頭の中で行う一種の思考実験だったんですよ。どういうことかというと、経済学をシンプルに使うために、ものすごく強い 仮定を置いたんですね。それは「社会の構成員は、自分のことしか考えず、他人の幸せとか一切考えない」そして「全ての人がものすごくエゴイスティックで、 自分の利益だけを優先する」という前提で、「全ての経済主体が行動すると、どういうふうに社会はなるのだろうか」という経済学を考えたんです。
  --- 略 ---
自分の利益だけを考えるというのは、理論上すごく取り扱いやすいんですね。それで出来上がった経済学というのが、新古典派だったんですけど、何を勘違いしたんだか、それがどんどん進んでいくうちに、それが正しい世の中だって、”思い込んじゃう馬鹿”が出てきたんです。

  ーー 「雨宮処凛の闘争ダイアリー」の 格差と貧困と戦争 から  森永卓郎

*新自由主義の背景となっているのが新古典派経済学

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