2015年1月27日火曜日

境界線は集団を超えて引かれる

人間らしい善意はだれにでもあり、全体として断罪される可能性の高い集団にも、善意の人はいる。境界線は集団を超えて引かれるのだ。したがっていっぽうは天使で、もういっぽうは悪魔だった、などという単純化はつつしむべきだ。

この世にはふたつの人間の種族がいる、いやふたつの種族しかいない、まともな人間とまともでない人間と、ということを。このふたつの「種族」はどこにでもすんでいる。どんな集団にも入り込み、紛れ込んでいる。まともな人間だけの集団も、まともでない人間だけの集団もない。
 --- ヴィクトール・E・フランクル 『夜と霧』 から

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