2015年2月23日月曜日

地主社会から管理職社会へ

年間億単位の報酬を受け取る企業トップは「経営能力」をアピールしますが、たまたま景気が良かった時期だったことによる「幸運の対価(pay for luck)」なのか、経営能力のおかげなのかは極めてわかりにくいというのです。

現場感覚のないまま、基準の不確かな「業績」や「能力」で人を二分し、「業績や能力がある」と(だれかに)認定された人たちには異様な高報酬を「業績や能力がない」と(だれかに)認定された人たちには自立できないほどの低報酬を、という賃金格差が横行していきます。それが当たり前のようになった社会に、日本は到達しています。

ピケティのいう富裕層の政治支配は日本ではすでに実現しています。資産格差と賃金格差、その集積としての政治支配という一連の構図がきれいに出来上がっているからです。

--- 竹信三恵子 「ピケティ入門」から

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