2018年9月2日日曜日

本物っぽければ

画一化するロードサイドの風景は「柴崎コウ」的である。本物っぽければ、本物でなくてもヨシ。本来求められているのは「柴咲コウ」なのにみんなが「柴崎コウ」でヨシとしているから、「柴崎コウ」のまま街づくりを進めてしまう。個性に欠ける店の並びが、本物ではない気配を許しながら多量に配置されていく。「これで良かったんだっけ?」と誰に確かめるでもなくコピペが続く。新たに街づくりが提唱される時、その路肩に「もう片方の軍手」が転がっている可能性に目をやることができるかできないか。画一化から逃れる方法はやっぱりそこにある。

--- 武田砂鉄 『紋切型社会』から

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