2018年9月17日月曜日

蓋の上の人格

これまで「逃げること」ばかり考えていた過去の自分に別れを告げ、はじめて「守りたいもの」のために戦うことに喜びを見出すハウルは、一見「変身」したかに見える。しかし呪いの秘密が解けないまま、戦いによって平和を得ようとするその姿は、実は何一つ変わっていない。これまでと同じ扉に、入り口の色を新しく変えて、出てゆく空間を取り替えることで「蓋の上の人格」の一部を入れ替えただけである。(ハウルの動く城)
  ---   深尾葉子 『魂の脱植民地化とは何か』から

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