2023年2月28日火曜日

市民後見人の役割

成年後見にとって必要な人材は財産管理の専門家ではなく、福祉の専門家です。成年後見は福祉の分野であり、本来は法律家ではなく行政が担当すべきなのです。

致命的な問題は、いったん(後見)制度を利用すると、止めることがなかなかできないことです。
市民後見人の役割は、お金のない人のボランティア的後見人になるよりも、相談者の立場により近い感覚を持つという点で、むしろ「後見人にならない立場の人による後見相談の必要性」で提言した後見コールセンターでの中立的相談業務にあるのかもしれません。(略)
自治体によって推進されるのは、(略)中立的相談機関の設置と、その機能を利用した「家裁業務のアウトソース(家裁は、後見が必要かどうかだけを決め,それ以外の業務)」の後見ニーズの実態調査でしょう。具体的には、後見をしない中立的立場の人による後見コールセンターを通じ、個別相談に応じながら、その地域の後見ニーズの調査が必要になるでしょう。調査によって後見費用の助成が必要な対象者数を割り出し、予算化することが可能になります。人数だけでなくニーズの中身を把握することで、どんな作業をする後見人がどのくらい必要かが判明すれば、市民後見人の募集や養成よりも実践的になります。そうなってこそ、弁護士や司法書士などの役割も明確になり、地域を挙げて適切な後見を供給することができる。

 ‐ーー #長谷川学 #宮内康二 「 #成年後見制度の闇 」


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