欧米社会では、民主とか個人とかいう考え方は二千五百年かかってなし遂げられました。それを戦後の五十年間に短縮してなし遂げることは不可能でしょう。
役人の世界はやくざ、アメリカで言えばマフィアですが、彼らが住んでいる世界とよく似ています。縄張りを広げることが出世につながるからです。
官僚にとって天下りは自分たちの権限を維持するためにも必要不可欠です。
彼らがいる限り、役所がもっている規制はなくなりません。天下りした人たちは規制がなくならないように見張っている、番犬のような存在でもあるのです。
「あうんの呼吸」と知る権利は相反するものなのです。「あうんの呼吸」はムラ意識を共有している人たちだけにわかる、排他的なコミュニケーションです。
官僚は業界に対し規制という支配権を握っています。この権限を手放したくないからこそ保護に走るのです。
「行政指導」が存在している理由は、自分たちの既得権益を守ることにあります。
日本で許認可権限を一手に握っているのが官僚です。力を持っている人のところには、必ず下心のある人たちが集まります。
「単身赴任」という考え方があります。これは選択の自由を認めません。自分が働くところを自分で選べないのです。なぜこのような発想が幅を利かすのか。それは組織体からすれば、たとえ家庭が崩壊しても組織体が生き残ることが一番重要なことだからです。
--- 宮本政於 「お役所の精神分析」 1997.3.10
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