2023年3月29日水曜日

官僚政治

多くの人たちの頼みごとを政治の上に、どんどん反映させようと努力すると、世間では「陳情政治」と批判する。代議士の中でも、ひとたび当選すると選挙区の方に背を向け、まるで中央官庁の代弁者気取りで、陳情に冷淡なものがいる。民主政治から陳情を除いたら、そこに残るものは、明治のはじめから築かれてきた官僚政治しか残らない。お役所という官僚の安住の地で考えられる政治は、大部分は彼らの勢力拡大の政治である。国民の税金で公団や公社をつくると、その幹部の大半はお役人。ある事業に許可を与えると、古手のお役人が何らかの形式で就職している。身を守ることに本能的に得意な彼らの頭脳から生まれる政策なり政治が、国民の多くの満足を得られるはずがない。

---    #大野伴睦回想録 #2021/03/25

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